基本の考え方
まず池の状態に合わせ、そのうえで成長や色揚げを考えます。餌は最終的にアンモニア、二酸化炭素、排泄物、ろ過負荷になります。アンモニアや亜硝酸が 0 ppm でない時、酸素が少ない時、輸送後や治療後で魚が弱っている時は、餌を濃くするより先に給餌を減らします。
タンパク質の数字を見る
タンパク質は成長、組織修復、産卵、体作りを支えます。稚魚や若い魚、夏の成長期は高めのタンパクを利用できますが、低水温や成魚の維持期では過剰になりやすいです。
| 餌の種類 | 目安のタンパク | 使いどころ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 胚芽 / 低水温用 | 約 25-32% | 春秋、水温 50-60°F / 10-16°C 前後で魚が動く時。 | 少量にする。低温ではろ過も消化も遅い。 |
| 主食・維持用 | 約 30-36% | 水温が安定した多くの池。 | 数字より消化性と原料品質を見る。 |
| 成長用・高タンパク | 約 38-45%以上 | 暖かく安定した水、強いエアレーション、成熟したろ過、若魚の成長。 | 使いすぎるとアンモニア、硝酸塩、汚泥、酸素消費が増える。 |
| 色揚げ | 約 32-40% | スピルリナ、オキアミ、カロテノイドなどで季節的に色を支える。 | 過剰使用で白地が黄ばむことがある。 |
水温別の給餌
| 水温 | 餌 | 量 |
|---|---|---|
| 50°F / 10°C 未満 | 通常の屋外飼育では給餌しない。 | 休ませ、落ち葉を除き、酸素を保つ。 |
| 50-59°F / 10-15°C | 胚芽や消化しやすい餌。 | 魚が活発な時だけごく少量。 |
| 60-68°F / 16-20°C | 主食、または胚芽との移行。 | アンモニアと亜硝酸が 0 のままなら少しずつ増やす。 |
| 68-77°F / 20-25°C | 主食、成長用、色揚げを目的で使い分ける。 | 多くの池で主な給餌期。少量を複数回。 |
| 78-82°F / 26-28°C | 良質な主食または控えめな成長用。 | 酸素をよく見る。夜の重い給餌は避ける。 |
| 82-85°F / 28-29°C 以上 | 給餌を減らし、エアレーション優先。 | 高水温では酸素が少なくなる。 |
良い粒餌の見分け方
- 原料の筋が通っている:魚粉、エビ/オキアミ、大豆、胚芽、穀類、藻類、ビタミン、ミネラルが目的に合う。
- 消化がよい:水に細かい汚れが出にくく、糞が崩れにくい。
- 新鮮:脂肪は酸化する。涼しく乾いた場所で保管し、古い匂いがしたら使わない。
- 粒の大きさ:小さい魚や弱い魚には小粒がよい。
- 浮上性か沈下性か:浮上性は観察しやすい。沈下性は食べ残しを見落としやすい。
高タンパクは便利だが万能ではない
高タンパクの成長用飼料は、暖かい水、十分な酸素、成熟したろ過、適正な密度があって初めて力を発揮します。低水温、新しいろ過、過密、酸素不足、隔離中のストレス、硝酸塩や汚泥が増えている池では重くなりやすいです。
色揚げとおやつ
色揚げ飼料は赤や橙を支えることがありますが、遺伝や肌質にない品質を作るものではありません。エビ、蚕蛹、オレンジ、レタス、スイカ、豆などは時々のおやつにとどめます。パン、塩分の多い加工食品、脂っこい人間用食品、水を濁らせるものは避けます。
簡単な購入計画
| 状況 | まず買うもの | 必要なら追加 |
|---|---|---|
| 初心者の池 | タンパク 32-36% 程度の良質な主食。 | 春秋用の胚芽飼料。 |
| 若魚の育成 | 主食と、暖かく安定した水で使う成長用。 | 水質が強い時だけ少量のおやつ。 |
| 観賞・品評会志向 | 消化性と肌を重視した主食。 | 水質が安定してから短期の色揚げ。 |
| 寒冷地の池 | 夏用の主食、春秋の胚芽。 | 冬を越して古くなる大袋は避ける。 |
給餌チェック
- 餌を増やす前にアンモニアと亜硝酸を測る。
- 短時間で食べ切る少量給餌にする。
- 高タンパクや高水温ではエアレーションを増やす。
- 餌の切り替えは数日かけて行う。
- 水温、餌の種類、量、食欲、水質を記録する。
参考資料は FAO のコイ・魚類栄養資料、SRAC の水産栄養資料、Hikari の低水温給餌ガイドです。出典をご覧ください。